三重県御浜町の山道を進むこと30分以上、山奥にひっそりとたたずむのは「クマノザクラ」。
鮮やかなピング色が特徴のこの桜は、2018年、国内の野生種としては約100年ぶりに発見された新種の桜です。
3月上旬~下旬にかけて、ソメイヨシノより一足先に満開を迎えるこの桜は、和歌山県や三重県にまたがる紀伊半島南部に自生しています。
桜は人工交配しやすいため100種類以上が流通していると言われていますが、野生種は9種類しかなく、この10種類目の桜の発見はとても驚きをもって迎えられました。
地元民からは「一足先に咲くヤマサクラ」として認識されており、地元の人々の生活の中に当たり前の存在として咲いていたため、新種だとは思われていなかったそうです。
年中ミカンが採れる温暖な気候と、熊野古道や風伝峠の朝霧など昔ながらの美しい景色を多く残すこの町の新たな名物としての活躍を期待されている桜です。
桜の種類
クマノザクラ
撮影場所
三重県御浜町