「桜ドローンプロジェクト2021」紀三井寺からオンライン花見のライブ配信をいたしました。
マイクロドローンでの撮影、ライブ配信について、紀三井寺 住職 前田泰道様にインタビューをいたしました。
――紀三井寺さんの場所や特徴を教えてください。
前田泰道貫主:この紀三井寺は、今から1250年前にできた古いお寺だということです。
奈良時代にできました。唐の国というところから渡ってこられた為光という名前のお坊さんによってつくられたお寺です。やっぱり、為光上人は自分の故郷の方を見た時に、非常に景色が良かったので、このお寺を建てたのではないかという気が致します。観音様のお寺で、西国三十三所という巡礼の霊場の第2番目の札所です。
このお寺の特徴としては、3つの井戸があるという、それが小さな山なのに枯れることなく湧き出る井戸があって、それが不思議だなということで、霊山と呼ばれるようになりまして、そこに観音様のお寺ができたということ。
それから『絶景の宝庫 和歌の浦』という日本遺産の構成文化財なんですけれども、ここから見る景色が非常にきれいだと、和歌の浦の景色、そして、遠く四国までも望めるような景色がきれいだということ。
そして、何はともあれ、桜の名所ということです。特に早咲きの桜、近畿地方でも一番早く咲き始める桜ということです。
やはり、黒潮の影響で暖かい気候がそれを導いているのだと思います。
気象台が決めた標本木が本堂の前にありまして、そこには5輪花をつけると、和歌山地方全体に開花宣言が出る、そういう基準になる木がある寺ということで、マスコミの人も開花宣言の時には注目されます。
全国的にも春がいよいよやってきたという、その兆しになる寺ということにもなっております。巡礼さんも大勢来られます。
――昨日、満開宣言がなされたのでしょうか?(ライブ中継の翌日のインタビュー)
前田泰道貫主:そうですね。これも気象台の人でないと、宣言ができないので。満開宣言というのがなされました。いよいよ見ごろが到来したということです。その時にちょうどドローンのライブ配信をしていただいたということになります。
――今まで、ドローン撮影や取材などされていらっしゃると思いますが、今回のドローン撮影について率直なご感想をお願いいたします。
前田泰道貫主:ご覧になった方は皆さんそうだと思うんですけど、初めて見た角度といいますか、自分が住み慣れた寺ですけれども、見たことのない角度から寺を見て、また桜を見ることができたというのが非常に嬉しかったです。
桜の一番いい状態の時に、それをしていただけたという、しかもそれをどなたでも見ていただける、世界に発信していただいたということが、とても寺としてはありがたかった、誇らしかったですね。
そしてもうひとつ、新型コロナウイルスの状況下にあって、新しいお花見の仕方を提案していただいたと。そういう状況にあっても、これだけお花が楽しめると。
映像を通じてお花が楽しめるし、乾杯もしていらしたけれども、映像を通じて皆さんで盛り上がることも可能だということを、提案していただいたのが良かったという気が致します。
――機能のライブ配信では、日本の人のみならずロシア、アメリカ、中国、色んな国の方たちに見ていただいて、紀三井寺に行きたいという声も本当にたくさんいただきました。
前田泰道貫主:海が見える寺ということも非常に印象深かったという声もいただいていましたね。
――そうですね。梅があり、桜があり、紅葉もありますか?
前田泰道貫主:そうですね、梅も紅葉もちょっと和歌山というところはもうひとつなんですけれども、しかし桜は一番良いころだと思います。
――今は行きたくても来られないという事情がある方も多いと思います。そういった方たちに向けて、何かメッセージをお願いいたします。
前田泰道貫主:今は「どうぞおいで下さい」とは言えないんですけれども、このコロナの蔓延がおさまりましたら、映像を観ていただきましたそのままの寺でございますので、一度おいでいただいて、ご結縁いただきたいなと。
今、バリアフリーということを頑張っておりまして、足の不自由な方や石段が苦手な方も登ってこられるようにしようと取り組んでおりますので、ますます景色も良くしようと頑張っておりますので、どうぞおいでいただきたいという風に思っております。
――「桜どろーんプロジェクト」についての感想をお願いいたします。
前田泰道貫主:すごくいい企画だと思うんですよ。日本全国桜の名所があって、桜前線という風にだんだん南から北に上がっていくわけですけれども、それを網羅して、しかもドローンの空からのまるで鳥のような視点で桜を捉えるというのは今まではなかったことですから、
日本全国を網羅してそういうことが行われるということは非常に素晴らしいことだなと思って、その中に紀三井寺が選ばれているということが非常に嬉しかったんですけども。興味を持って実現したらよいなと思っておりましたので、お待ちしていた次第でございます。
――この度は本当にありがとうございました。
前田泰道貫主:ありがとうございました。お疲れ様でございました。