新設されたNTTグループデータセンターをダイナミックに表現したいというご依頼から、自作の小型マイクロドローンとDJIドローンを使った撮影を弊社で行いました。屋内施設における新たな撮影手法としての「マイクロドローン撮影」を新たに導入してみたご感想や、発注から導入に至る経緯、また撮影当日の様子についてNTTLSの金子様にインタビューいたしました。
<インタビューのお相手>
NTTラーニングシステムズ株式会社
プロダクト・ソリューション本部
コンテンツ事業部 映像制作部門
金子 泰典様
目次
#1 屋内施設におけるマイクロドローン映像のメリットとは?
―先日はお疲れ様でした。出来上がった映像も大変良かったです。早速ですが、マイクロドローン撮影全般についてお聞きしていきたいと思います。まずはじめに、今回マイクロドローン撮影・編集してみて、率直な感想、また関係者の反応はいかがでしたか。
金子さん:今回の案件はNTTグループのデータセンターでした。かなり大きめな建物の屋内施設を撮影する必要があるのですが、これまではドリーやクレーンを入れた撮影をしてきました。しかし、スペースが限られるためX軸とY軸が少し動くだけという表現方法になってたんですよ。
マイクロドローン撮影を今回始めて導入してみて、建物の中をダイナミックに見せることができることに加え、結構スピーディに表現できる、というのが率直な印象です。この2つが加わることで、より建物の広さや奥行きを表現できると思いました。これが導入してみて良かったと思っている点ですね。
出来上がった映像をみて、エンディングで男性の横をすり抜けていくカットは「やっぱり効果的でいいよね!」と映像チームで盛り上がりました。
―そもそも映像制作に際して、どうやって弊社にたどり着いたのですか?
金子さん:どうやってこのデータセンターを格好良く見せるかは常に議論の対象だったので、それをクリアにするために何があるのか考えました。そこでマイクロドローンを使ったらどうかを検討したんですね。
今まで建物の外観や街中の電柱とかは市販のドローンで撮影することはあったのですが、マイクロドローンで屋内施設を撮影するというのは初めてだったので、様々な協力会社さんを調べました。
その中で御社は、HPに事例ごとの実際の映像や映像制作における課題、それをどうドローンで解決するのかを詳しく書いてあったので、安心感があって相談させて頂いたのが経緯ですね。
――えー、嬉しい!!
金子さん:格好良さだけを提案するだけではやっぱりダメで、マイクロドローンは結構危ないんじゃないか?みたいな事を言われるじゃないですか。それをクリアにしたいと思ってお問合せしたら、横田さんのドローンレースや各種撮影の実績に加え、申請や保険のことまで詳しくご提案いただいたので、すごく心強く思いました。
我々はVPといった企業系の映像制作が多いので、相手側から様々な声をいただくのですが、それらを考慮した資料を作られているなっていうのが大きいところですね。
―ちなみに、マイクロドローンという言葉自体はご存知だったのですか?
金子さん:そうですね。もうなくなっちゃったんですけど、麻布駅を出たところにマイクロドローンのお店があって。
―え!その施設、僕が立ち上げお手伝いしていたんですよ!
金子さん:そうなんですか!通勤時に前を通りながら見ていて、みんなマイクロドローンの存在は知ってましたよ。お昼とかにメンバーと「最先端のマイクロドローン撮影も取り入れていきたいよね!」みたいな話はしてましたね。
これまでもDJIドローンの撮影は行った事があるのですが、DJIドローンは、屋外の広い開けた場所で利用するものと思っていて、僕らの建物の中で撮影するとなるとそれに対応できる小型のマイクロドローンが良いのかなと。ドローンレースの映像やYouTubeの映像も見ていたので、撮影でマイクロドローンを活用できるといいなと思ってました。
―そうだったんですね。マイクロドローン撮影の会社を調べた際に何社くらい検討しましたか?
金子さん:4社ほど見ました。
―実際に問い合わせも行ったのですか?
金子さん:いや、問い合わせしたのは御社だけですね。ご提案いただいて、後はスケジュールと予算が合えばと思っていました。他社さんは、一方的なHP構成や書き方になってるマイクロドローン撮影の会社さんが多かったと感じました。しかし、御社は依頼する側の視点に沿ったHPの構成や記事になっていて、私たちは安心して撮影依頼をすることが出来ました。
#2 マイクロドローン撮影の流れと費用「当日、一番の衝撃は…。」
―当日の段取りや流れで、僕たちの動きとかはどうでしたか?
金子さん:まず、一番驚いたのは電車でいらっしゃるんだってことですね(笑)
コンパクトさとか身軽さっていうのはやっぱり最先端なことだと思ったのは鮮明に覚えてます。従来、撮影クルーの技術部は車でしか来ないイメージで、本当に使うのかなみたいな大きい撮影機材があるのに。。。
―私はカメラバックとキャリーだけで来ましたもんね(笑)
金子さん:衝撃でした!メイクさんかなと思うくらい(笑)このフットワークの軽さが一番印象に残ってますね。あとは、やはりゴーグルをつけた撮影ですね。初めてマイクロドローンの撮影を見て、これが最新の撮影手法なんだと思いました。
あと、副産物的なマイクロドローン撮影のメリットですが、立ち会っているお客さんがマイクロドローンの撮影風景にとても興味を持って頂けて(笑)
―ずっと興味持って話されていましたね(笑)
金子さん:撮影が終わって映像確認の時に、横田さんがドローン撮影の話をお客様たちにして頂けて、お客さんとのコミュニケーションのフックになりました!印象に残る良い撮影だったと思います。ドローン撮影は完全におまかせでお願いしていたのですが、素早く対応して頂けて、安心して見させて頂きました。
―午前中でドローン撮影は終わりましたもんね。
金子さん:当初夕方にもマイクロドローン撮影予定だったのですが、臨機応変にスケジュールや撮影カットも現場で調整いただき、効果的な撮影提案をして頂いて大変助かりました。
―今回の撮影は撮影1日プラスロケハン。編集なしだったので、使用したカット数にもよると思うのですが、撮影料金についてはいかがでしたか?
金子さん:映像制作終了後にチームで反省会を行いました。依頼した料金は十分納得のいく内容だったとの結論になりました。逆に、案件の規模や予算によっては積極的にマイクロドローン撮影の映像を取り入れていきたいと思っています。
―発注者側から見てマイクロドローン撮影料金は高いですか?安いですか?
金子さん:今回はマイクロドローン撮影だけでなくDJIドローン撮影も含めての依頼をさせて頂いたことを考慮しても、大変ありがたい価格でした。
―弊社は機材や人員も最小限なので、機材も小さいですし地上カメラクルーに比べるとやや割高に見えてしまうのかなと心配していました。
金子さん:そこは納得済みじゃないですか!?マイクロドローン撮影の利点を理解して撮影を依頼するってことは、狭い隙間を素早く通過しながら撮影するマイクロドローン撮影のメリットを狙ってお願いする方が多いんじゃないかと思いますけど。
―費用のポイントでは、機体の製作有無、カメラ種類、企画提案の有無や時間などを考慮しての見積もりになることがほとんどです。
金子さん:企画とかもプロの方が頭から考えた方がいいんでしょうね。あのドローン操縦の技術は、私には出来ないと思いました(笑)屋外や屋内、狭いスペースで小型のドローンを操縦するのにゴーグルでしか見ないから、無理無理(笑)
#3 自作のマイクロドローンだからこそのメリットとは
―そういえば撮影当日マイクロドローンの操縦をやりたい!っておっしゃってる方いましたね。
金子さん:壊しちゃう(笑)でも、やっぱり出来た映像を見せてもらったら皆さん、コスト感もその操縦技術の難しさも理解できる気がしますけどね!
―それは嬉しいです!今回の撮影に関して、もう少しこうしたら良かったなという事はありますか?
金子さん:僕達がもうちょっと勉強して「こういう方法はない?」みたいな相談をするべきでした。人を絡めたり、屋内から屋外まで色々なシーンを撮影して頂いて、施設紹介がメインの撮影では、横田さんだったらどう考えるのかなって聞きたくて(笑)
―高画質なカメラで綺麗な映像を撮影することは出来るじゃないですか。でも、マイクロドローン映像は短時間で情報が入ってきて、しかも作り込んでないから嘘をつけないのがポイントです。「狭さ」は一見マイナスな表現かもしれないですが、リアルとずれがなく映像表現できるっていうのはこの時代に重要だなって思うんですよね。
金子さん:押し付けがましいのは嫌ですよね。ちなみにこれは何ミリなんですか?
―16mmとかで結構広角ですね。
金子さん:広いんですね!
―エントランスからの一連の流れを見せるのにもかなり適してると思います。
金子さん:僕達はNTT系の案件が多いので、「安心感」とか「信頼感」みたいなキーワードが重要で、電柱保守や地下ケーブル保守もやってるんですが、ネットワークケーブルを置いてある暗いところをマイクロドローンを飛行させることはできますか?
―できますね!暗い中を照明をつけて飛行するドローンを僕らが作っちゃいますので。
金子さん:作っちゃう!?
―例えばライト付きのドローンみたいな。今回よりも少し大きいドローンで、斜め前の方にライトを付けて、その明かりでサーっと中を見て進むみたいな事ができます。
金子さん:自作ドローンでだとそんなこともできるんですね!
―通常のドローンだと地下などのGPSが届かない場所では使いづらいですが、僕達は様々な状況に応じてドローンを製作できるので、どのような要望でも汎用性高く対応出来ると思います。
―以前、歯医者さんのHP用映像を撮影した際に、採用の方に使えるなってなりまして。
金子さん:採用ですか!?
―実際の職場や働いている人の雰囲気をそのまま嘘なくリアルな感じで伝えられるじゃないですか。プロモーションとかとは違うリクルート活動や社員やスタッフのロイヤリティを上げる側面でも使えるなって結構思っているところです。
金子さん:人がカメラで撮影しているわけじゃないからかな(笑)>
―そう!笑ってくれたりとか(笑)ドローンっていうのはある意味そういう演出にも使いやすいのかなっていうのは。
金子さん:確かに!カメラと照明のドローンをプログラミングで並走させて撮影する事も出始めましたよね。映像製作の際は、企画出しから実際の制作まで行っているんですか?
―そうですね、撮影だけっていうのはあまり多くないですね。プロモーションで使うみたいなことを最初の企画から編集して公開する。で、運用の部分もやらせてもらったりとか。
金子さん:それは、お客さんに映像確認を行って、修正を加えたりも含んでって事ですよね。
―僕らは編集を社内でやることもあるし、外注する事もあります。自治体さんとのお仕事の中でイベント企画や運営するだけでなく、一緒に観光ムービーやその運用をお手伝いすることもあります。企画から入った方が僕らも良い映像を作る為の提案ができますし!フレッシュに考えるチャレンジ案件だったら燃えるみたいな所あるのでぜひお声がけください。
金子さん:ぜひ、お願いしたいなと思っています。
―ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いします。
本日はインタビュー誠にありがとうございました。